2018年 04月 04日
UNIT 42 関係代名詞 whose ★ Chrisくんも幸せに
1時間に1本のバス。それにこれから美柑は乗る。
Johnがいる家へ行くのである。
バスを待っている間、大学の授業を抜け出してChrisが現れた。
会えるのはこれが最後である。
Oxfordを去るのは、これだから嫌だ、と美柑は思った。
お世話になった人々にさようならを言い続けなければならない。
Chrisはいつもの通り、元気な笑顔を見せると言った。
Chris :
A second - hand book fair is taking place over there.
Can we go ?
You have still time for the bus.
Mikan :
It sounds interesting.
<訳>
C :
古本市が、すぐそこで開かれているんだよ。
ちょっと、行ってみない?
バスまでに、まだ時間がある。
M :
おもしろそう。
二人で行ってみると、沢山のテントが並んでいて、古本が詰まれている。
イギリス人の他に、観光客も多い。
5、6冊まとめて買っている人もいる。
Mikan :
Look !
I have never seen so many people whose bags are full of books !
Chris :
Have you ?
I often become a man whose rucksack is filled with second - hand books.
<訳>
M :
見て!
カバンが本でいっぱいになっている人達を、こんなに沢山見たことないわ!
C :
そう?
僕はよく、リュックサックが古本でいっぱいの男になるけどね。
Johnが好きそうな演劇の本もある。
近寄って手に取ると、Chrisが少し改まった声で言った。
Chris :
I have to say sorry.
You were looking for a playwright whose initial was J.
Mikan :
Yes. I just thought that John might have written the play ,"My Sweet Mikan".
<訳>
C :
ごめんなさい、と言わなくてはいけないんだ。
あなたは、イニシャルが J の劇作家を探していたよね。
M :
うん、そう。
Johnがお芝居の「僕の可愛いMikan」 を書いたかも知れないと思って。
一瞬困ったような微笑みを浮かべたが、Chrisは意を決したように言った。
Chris :
It was me who wrote it.
My ex-girl friend, Risa, was from Shizuoka in Japan.
I don't know much about the place except good mandarins are grown there.
A mandarin is called mikan in Japan, isn't it ?
Mikn :
Yes, that's right.
Chris :
I wanted to write a play which was related to Japanese mandarins.
So I named the play " My sweet Mikan"
Anyway, the person who wrote the play wasn't John but me.
My surname is Jones.
<訳>
C :
僕なんだ、それを書いた人。
元カノのリサは、日本の静岡の出身だった。
僕は、その場所についてよく知らない、 いいミカンが育てられているってこと以外はね。
マンダリンは、日本でミカンって呼ばれているんでしょう?
M:
そう、その通り。
C :
日本のマンダリンと関係のある劇を書きたかったんだよ。
それで、その劇を、”我が親愛なるミカン”って名付けたんだ。
ま、いずれにしても、その劇を書いた人は、Johnではなくて、僕なんだ。
僕の苗字は、Jones。
それまで、Chrisの苗字なんて考えたこともなかった。
よく考えれば、頭文字がJのイギリス人なんていっぱいいる。
Jと聞いただけでJohnと思った美柑が、早とちりだったのだ。
バスの発車時刻が近づいて来た。
停留所に並び、一人でバスに乗り込むと窓の下でChrisが手を振っている。
いい人だったなあ。Chris。
美柑は手を振り返しながら、彼も、リサという元カノに巡り会う日が来ることを祈った。
バスは定刻通りに発車した。
Chrisの姿が小さくなっていく。
美柑はこれから、他の誰でもない、Johnに会うための道をまっしぐらに進んで行くのである。
バスは市内を出ると、急に速度を上げ始めた。
対向車線上を走る同系のバスとすれ違うと、
運転手が一瞬、笑顔を交わし合った。
そんな光景が、美柑に元気を与えてくれる。
バスはカントリーサイドに入り、風の中に草の香りが混じり始めた。
両脇に並ぶ家が、これぞイギリスである。
ゆっくりと停留所に止まったバスから外を見ると、男の人がいる。
Johnのお兄さんである。
美柑は一目散に駆け寄った。
Johnは家の中にいるのだろうか。
Mikan :
Hello !
I have come here to see John.
Brother :
Oh, dear !
What a pity !
John has just left.
He is going to the city centre.
You must have come past the bus he was on !
<訳>
M :
こんにちは!
Johnに会うために、参りました。
B :
おやおや!残念だね!
Johnはたった今、出たんだ。
市内に向かっているよ。
あなた、彼の乗ったバスに、遭遇していたに違いないね!
ことばが、出てこない。
気の利いた英語も、基本的な英語も。
美柑はJohnの後を追ってバスに乗ろうと、道の反対側に廻った。
そして気が付いた。
この田園地帯を走るバスの時刻表。
それは、ここに来たバスと同様、
上りの便も、1時間に1本しか出ていないのであった。
whose も、
who、 whichと同じで、補足説明をします。
意味は、「その人の~」になります。
I have a friend.
+
Her garden is very big.
↓
I have a friend whose garden is very big.
(私は友人がいる、その人のバラ園はすごく広い)
whoseは、フォーマルな側面を持つ英語で、
正式な場所や、書き言葉で使われます。
● おまけの英単語
① name = 名前をつける
nameは「名前」という名詞と、
「名前を付ける」という動詞があります。
② be related to ~ (リレイテッド トゥ)
= ~と関係がある
I wanted to write a play which was related to Japanese mandarins.
● EXERCISES
DO YOU KNOW AN ARMCHAIR ?
(アームチェアと言う椅子を御存知ですか?)
このような、肘掛椅子のことですが、ここで質問です。
What kind of people are called an armchair traveller ?
(アームチェアトラベラーと呼ばれるのは、どういう類の人々でしょうか?)
次の語をヒントにして、説明してみましょう。
whose
hobby
read about travel
not travel personally
● ANSWERS
An armchair traveller is a person whose hobby is reading about travel but doesn't travel personally.
(アームチェアトラベラーというのは、旅の本を読むことが趣味だが、自分自身は旅行に行かない人である)
肘掛椅子にゆったりと腰かけて、旅行の本を読むのが好きだけれど、実際には旅行しない人のことを、
英語でarmchair traveller と言います。
What about you ?
Are you an armchair traveller ?
(あなたはどうでしょうか? アームチェアトラベラーですか?)
by MyParkroad
| 2018-04-04 08:00
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